「心結」



かすみと話してると後ろから声をかけられる。



「ヒロ、どうしたの?」


「これ、プレゼント」


「覚えててくれたんだね」



ヒロの手から包み紙を受けとる。



「今日は悠貴も休みだろ?」


「うん。月曜だからね」


「悠貴なにくれんのか楽しみだな」



あたしの頭をポンッと撫でて、手を振って教室から出ていく。



「あんた、今日会うのに言わないつもり?」


「……うん」



誕生日に悠貴に会えること。
それが誕生日プレゼントで充分だなって思う。



「どうせ後から知られるじゃん……」


「会えることが誕生日プレゼントだから」


「はぁ、悠貴くんも誕生日気にしてくれれば言えたのになぁ……」



誕生日、前もって言っておくべきだったと後悔してるけど。

でも、カレンダーで自分の誕生日を見た時に月曜だったことがすごく嬉しくて。
そこで満足しちゃった感があるんだよね。