「心結、好きだよ」



悠貴の家でやることなんてただ一つ。

1度体を交わしてしまうと、次ここに来た時も同じことが起こるなんてわかっていたことだ。



「うん、あたしも。悠貴が好き」



悠貴の誘いに乗るように、悠貴の首に腕を回す。

たった一度の行為で、こんなふうにできてしまうなんて驚きだけど。
体が悠貴の感触を覚えていて。

本当は、悠貴とお祭りに行けなくて心は落ち込んでいるのに。
体は悠貴を受け入れる準備が出来上がっている。



「あっ……」



今日も悠貴とふたり、溺れるんだ。

疲れていたくせに、やることはできる悠貴。

そんなことあるわけないのに。
体だけなのかな?なんて思ってしまう。


だって、本当はあたしこういうこと以外のことで悠貴と過ごしたい。



「……心結?」



今日も絶好調に果てた悠貴があたしの顔をのぞき込む。



「ん?」


「なんかあった?顔が寂しそうに見える」


「ううん。たださみしかっただけだよ」



これは嘘じゃない。
でも、本当の気持ちなんていえない。

悠貴はこれをしたがってるんだから。


だから、この日何も言わずにいることが悠貴のためだと我慢した。