「悠貴!」


「心結ー、会いたかった」



悠貴の家の近くの交差点で、悠貴に会う。



「悠貴だー……」



会いたくて会いたくて仕方がなかった、悠貴の顔がすぐそばにある。



「家、行こう」


「……うん、あのね。今日お祭りそこでやってて」


「あーやってるね」



大して興味もなさげに反応する。



「……だからね、悠貴と」


「あー疲れた。もう今日はどこも行かないで家で心結とゆっくりする」



言いたかった言葉は悠貴のそのセリフによって胸に仕舞われた。



「……そだね。疲れてるもんね」


「ん?さっきなんか言いかけた?」


「ううん。何もだよ」



あたしは作り笑いを浮かべる。

仕方がないんだ。
悠貴は帰ってきたばかり。
こうしてすぐに会ってくれてるだけ、ありがたいんだ。


悠貴と2人でお祭りに行くことを勝手に想像していた。
勝手に悠貴も一緒に行きたいと言ってくれると思ってた。

だめだよ、独りよがりは。
ちゃんと、相手のこと考えないと。