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「……ヒロ」



心結の背中を押した次の日の放課後。
制服が引っ張られて、そして聞こえてきた俺がすごい好きな奴の声。



「心結、なした?」



心結を見れば自然と綻ぶ頬。
自然と笑顔になれる。



「悠貴と仲直り、できたよ」


「そっか。よかったじゃん」



心結の頭をポンッと叩く。

本当は、心結の頭に触れるべきではないのかもしれない。
でも、この癖は出会った時からずっとだから。
今更取れるような癖でもない。



「いろいろありがとね」


「俺ができることはなんでもしてあげたいから」



付き合ってる時にたくさん傷つけてしまったぶん。
いま、俺ができることをしてやりたい。



「……ありがとう」


「でもそろそろちゃんと諦めなきゃな」


「……ヒロ」



少し悲しそうな表情を見せる。