『同じ学校とかだったら俺らめっちゃ仲良しだよな』


「そうだねー。親友かも?」



男の子の友達なんてあまりいなかったあたしには悠貴の存在が特別だった。



『親友かぁー』



優しい声で話す悠貴に甘えてた。
男友達って存在が嬉しかった。

小学生の時はもちろん男女関係なく遊んだりしていたけど、中学の制服を着てから男の子がなんとなく違うものに思えて、友達になれなかった。

男の子はみんな恋愛対象だったんだ。
だから、友達にはなれなかった。

こうして恋愛感情抜きで話せるのは悠貴が初めて。



「あたし、男友達っていないの」


『そうなの?』


「うん。だから、悠貴の存在って特別だな」



あたしの言葉にスマホの奥がシーンとする。

あれ、変なこと言ったかな。
たしかにこんなこと誰かにいったりあんまりしないよね。



「悠貴?」


『あーごめん、そんなふうに思ってくれてると思わなかったから』



我に返ったかのように返事をする。