「そういや、ガク双子なんだぜ」


「ふーん」


たいした興味もなかったので適当に返事をしてテーブルに顔を伏せる。



「でも、心結と悠貴が知り合いだったとはなー」


「あたしだってびっくりだよ」


「どうやって知り合った?共通の知り合いとか?」



お兄ちゃんの言葉になんと答えたらいいのかわからなくる。
共通の知り合いはいるけど、そんな出会いはしていない。



「……間違い電話」


「は?」



あたしの言葉に予想通りのテンプレのような回答をするお兄ちゃん。



「そんなテンプレ回答求めてない」


「は?天ぷら?食べたいのかよ」


「言ってない、バカ」



お兄ちゃんはスポーツは万能だけどただのバカだ。
でも身体能力がすごい高いから高校にいくのも推薦だったし、未だかつて頭が悪いことで苦労したことはないと思われる。



「いいね、お兄ちゃんは悩みなさそうで」


「あ?お前なんかに悩んでんの?聞いてやるか?」


「いらない」



お兄ちゃんに今日のキスのことなんかいえるわけはない。