「もしもしっ」



夜。
ベッドに横になっていると、悠貴の着信音に設定してる音楽がなって、ベッドから飛び起きて、電話に出る。



『なんでそんな急いでんだよっ』



電話の向こうで笑っている悠貴。



「ベッドに横になってたから慌てて飛び起きた!」


『ははっそんなに俺と話したかったか』



冗談ぽく笑う。

本当に話したいと思ってた。
昨日、たくさん話せると思っていたのに話せなくてあげく電話も出来なかったから。



「昨日はごめんね。早く謝りたくて」


『いいよ、あれは仕方ないよ。なんか本当にヒロが心結の元彼なんだよなーって思わせられた』



少し切なげに笑う悠貴。
悠貴の中にまだ少しでもあたしへの想いは残っているのだろうか。



「ヒロとはもう何も無いから……」



あたしが好きのは悠貴なのに。
言いたくても言えないもどかしさがあたしを支配する。


昨日確信した恋心。
できるならばこのまま言ってしまいたかった。

でも、失敗したくないから。
ちゃんと暖めたいから。