奏でるものは 〜功介〜



「姉は功さんのこと……コウスケって呼んでた?」


驚きながら「ああ」と答えた。



「あなたに姉からの言葉があるの。
姉はあなたに伝えたかったのね。

私もずっと伝えたかった。

今、ここで言っていい?」


唯歌から、俺に?


「向こうで……俺だけが聞いてもいいか?」


「ああ」「聞いてこいよ」


優と龍が答えた。


カオリちゃんと立ち上がって、広場の隅へと歩いた。