ギュウウ、と搾られるように縮こまっているのであろうお腹は、わたしをこれでもかというほど痛みつけてくる。

あー、もう。なんでよ。中学の時は、数年すれば少しは軽くなるって、お母さんが言っていたんだけどなあ。

全然軽くならないじゃないか。


「…っ」


お腹の痛みだけじゃなくて、軽く貧血の症状も出始めた。

我慢できなくなって、その場に座り込む。他にもお客さんはいたけれど、そんなの気にしてられない。それくらい痛い。

でも、「リョウちゃんのところに行かない」なんて選択肢はわたしにはないから。こんなやつとも、これからは付き合っていかなきゃいけないわけだから。


だから…………—



「アンタ、大丈夫?」



溢れていた冷たい汗が、ひとつぶポツリと足元に落ちた。それを呆然と追っていた目を少し前に動かすと、大きな黒いビーサンが見えた。