わたしの言葉を合図に、珠理はわたしのくちびるを塞いだ。
まるで、今までの珠理とは違う。いつも見ている、学校での珠理とは違う。
息なんてさせないと言わんばかりの深いキスで、埋め尽くされていく。
でも、それはすべてやさしくて。今まででいちばん、やさしく触れて。
「… めご」
「…ん」
「——— すきだよ。愛してる」
甘い甘い言葉を、そっと囁かれた。
それからは、珠理の、やけどしそうなほど熱い温度に包まれて、これ以上ないほどの愛情を注がれて。
わたしの今まで感じていた不安は、珠理から与えられる愛に覆い尽くされて、少しずつ小さくなっていく。
「…めご、俺のこと見て」
「…っ、」
「声も、我慢しないで。めごの全部、俺に見せて」
初めて触れる身体は、初めて聴く声は、初めて見る珠理は、いつもの珠理とはまるで違った。
—— 時々見せる、男の人のかおだった。
そんな珠理に、恥ずかしいほど、わたしも夢中になっていた。ずっと、珠理のことを追いかけて、繋ぎ止めたいと、必死にしがみついて。
もっと、って、珠理は言うけれど、もうこれ以上ないほど、わたしも珠理にすべてをさらけ出していた。
これから待ち受けている長い長い時間を、くじけることなく過ごしていけるように。
あなたのこと、忘れないように。
何度も、何度も、
お互いの想いを、愛を、
溺れそうなほど熱い熱の中で、
確かめていた。



