ヒミツにふれて、ふれさせて。



「うわ、びっくりした。どこの芸能人かと思ったわ。え、ニンゲン?」

「ちょっと。なにその挨拶」


初っ端から、頭悪いの丸出しの一言を繰り出す弟を殴り飛ばしてやりたい。これだから、あまり友達にも彼氏にも話したくないんだ。バカ丸出しだから。


「あ…はい、美濃珠理と言います。めごさんとお付き合いさせていただいてます」


そして、そんな弟にお母さんの時よりも緊張して挨拶をしている珠理。やっぱり同性の方が緊張するものなのかな。わたしもサユリさんに会った時は緊張したけどさ。


「はぇ〜、びっくりした。弟です。成実って言います」


耳あても外さないまま、じっと珠理の方を見上げている成実。まだまだ成長途中の彼からしてみれば、かなり珠理は大きい。


「すっげー…。こんなイケメンって本当にいるんだな。珠理さん、姉ちゃんに騙されてんじゃないですか」

「うるさい成実。黙って」

「まあまあまあ、めごも成実も。こんなところで騒がないでちょうだい。夕飯までもう少し時間あるから、上でのんびりしてきたらどう」

「ヤダよ。俺テレビ見たいやつあんだもん」


どかっと、ソファに寝転ぶ弟。珠理がいる前でなんて態度だと思いながらも、絡むだけムダだと思って、珠理の手を引っ張る。


「お母さん、わたしたち部屋にいるね」

「はいはい。出来たら呼びますよ」


こんなところにいたら、珠理だって緊張しちゃうし、気も使っちゃう。わたしが勝手に不安になって、勝手に招待しちゃったんだから、珠理に色々と考えさせるのは違う。


階段を登って、わたしの部屋に入れた。

ひどく冷えていたから、エアコンだけじゃなくて、ヒーターのスイッチも入れる。

…年末の大掃除で、片付けておいてよかった。


「…めごの部屋、初めて入る…」


キラキラとした目で、珠理はわたしの部屋を見渡していた。

…わたしだって、リョウちゃんでさえ入れたこと、数回しかないよ。

だから、今のこの状況だって、ものすごく緊張する。