…わたしたちは、まだ未成年で。わたしたちだけの力で生きていくのは難しい。
それは、珠理だって同じ。
「…重いよなあ。こんな話を、しかもクリスマスにするなんてさ」
「ううん、わたしは別に…」
「隠さなくていいんだよ。俺もひどい大人だよ。珠理よりも、その想い人であるめごちゃんに、本心を話すんだから」
静かに煙草を吹かして、下を向いて項垂れる。
その横顔は、ひどく切ない顔をしていた。
「…珠理が決めることだ。俺はあいつの保護者だけど、親ではない。でも、なんでかなあ。こーいうことになって思い出すのは、サユリに置いていかれた時の、珠理の泣き顔だけなんだよ…」
「……っ」
「ずっと、サユリの名前を呼んでた。置いていかないで欲しいと、寝言でも言ってた。何でもするからって…。あの時の顔は、ほんとうに、今でも忘れられないよ」
…ぽたりと、テーブルの上に染みができる。
ぎゅっと胸がしまって、くるしくなる。
…おかしいな。わたしは、どうして今、涙を流しているんだろう。
オジサンの話のせいなのかな。珠理のことを思い出してなのかな。それとも、サユリさんの想いを考えて?
「…っ」
よく、分からないけど、きっと珠理やオジサンの気持ちは、わたしが想像するよりももっともっと、大きくて。
わたしが知らないことだって、まだまだたくさんあって。
…それらすべてを考えてから、オジサンは今日、珠理とサユリさんを会わせたんだ。
さっきの話をしていいって、許したんだ。
「…ごめん、本当に意地悪だったね。変なことを話してごめんね」
オジサンは、やさしく笑ってわたしの頭を撫でてくれた。
それに答えるように頭を横に振ったけれど、きっとわたしの今の想いは、それだけじゃ伝わらない。



