「想像していた以上だわ!ものすごくかわいい!ちいさい!」
「…!?…!?」
「ちょっと…。気に入った人にそうやってすぐ抱きつく癖ほんとにやめなさいよ。そしてめごが可愛いのは当たり前だから」
横にいた瞬間は、ため息をつきながらサユリさんをべりっと剥がした。ていうか、あんたがソレを言うか…?
「いいじゃないのよ、ケチ。だってずっと夢だったんだもの〜、しゅーくんの彼女に会うの♡」
「そのしゅーくんてやめてくれない」
「…」
…なんと言うか、思っていた感じの人と違う。珠理の話を聞いていたから、まさかこんな感じの反応をされるとは思っていなかった。
なんというか、こう…もっと、珠理には近づかないで的なことを言われてもおかしくないんじゃないかって、思っていたこともあったから…。
ものすごい先入観だった。ごめんなさい。
「あ…あの。初めまして。桜井芽瑚と申します。珠理くんとお付き合いさせていただいてます」
気を取り直して、軽くなった身体を曲げて頭を下げる。
なんだか、恥ずかしくて口が思うように動かなかった。珠理も今日の朝、こんな気持ちだったのかな。
頭を上げると、サユリさんはにっこりと笑ってくれた。
「初めまして。美濃小百合と言います。珠理も名前で呼ぶから、めごちゃんもそう呼んでね」
「あ、はい…!あの、サユリ、さん…?」
「ふふふ。そう、お母さんとか、ママって呼ばれるのより、そっちの方が好きかな」
うわあ。本当に、百合の花が咲いているような笑顔。真っ白で、儚くて、でも綺麗で、羨ましいくらい。
この人が、珠理を生んでくれた人。珠理のたった1人のお母さん。
…それから、珠理を、くるしめていたひと。
でも、珠理を、今の珠理に、したひと。



