嬉しそうにキーケースを眺めている珠理を見たら、何とも言い難い気持ちが胸から込み上げてきた。
…わたしがするひとつひとつのことに、こんなに喜んでくれる人なんて、珠理くらいだ。
「…でも、こんなにたくさんプレゼント貰っちゃったのなら、アタシもお返しをしなきゃよねぇ」
「えっ…?」
お返し…?
「…ちょっと、待ってて」
ぽん、と、頭に手のひらが乗っかったかと思うと、珠理はそのまま一階に降りていった。
トントンと足音までは聴こえていたけど、それからは物音がすることなく、じっと待たされる。
お返しって言っていたけれど、何も想像できない。プレゼントは無しって、珠理が言っていたのに。なんだろう。
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珠理が二階に上がってくる音がしたのは、それから5分後。思っていたよりも待たされたなあなんて思っていたら、キィっと部屋のドアが開いた。
「ごめんごめん、お待たせ」
少し照れながら入ってきた珠理の手には、何か大きなもの。
それを持ったまま、わたしの隣に座ると、テーブルの上にそれを置いた。
…大きな、お皿のようだった。
「…いつ、渡そうかなって思ってたの。だけどやっぱり、今日がいいかなって思ったから」
「…?」
首を傾げながら、眉毛を下にして笑う珠理。少しだけ緊張しているようなその顔が、テーブルのお皿に向けられると。
「——俺から、めごにプレゼント」
被せてあったふたが持ち上げられて、目の前には白くて綺麗なものが広がった。



