「何よもう照れちゃって。可愛いんだもの、残しておきたいじゃない」
「いい〜〜から、そっち座って!そっち!飲み物飲みたい!!」
「ぶ〜〜」
頰を膨らませながら、渋々ととなりに座り直す珠理。
気を取り直して、珠理が淹れてくれたミルクティーに唇を近づけると、とても良い香りがした。
…美味しい。今まで普通にティーパックで紅茶を出して、適当にミルクと砂糖だけ入れて来たものとは違う。
「…すごく、おいしい…」
「ほんと?よかった、ありがとう」
「…」
…ありがとうは、わたしの方だよ。
すぐ隣に置いた、自分が持ってきた鞄に手を伸ばす。コーヒーを飲んでいる珠理に気づかれないように、そっと鞄を開けて、取り出した。
…珠理への、クリスマスプレゼント。
本当に大したものじゃない。けど、きっと珠理はこうやっておもてなしをしてくれるだろうって思っていたから、準備したプレゼント。
「…ねぇ、珠理」
「うん?」
「…あの、これ。わたしから…」
…珠理だったら、もっとおいしいクッキーもマフィンも焼けるんだろうけど。
「…え?これ、アタシに…?」
「…………、うん…」
でも、それでもやっぱり、“ 作りたい ” って、“ 作ってあげたい ” って、そう思ったんだ。
ラッピングされた、お菓子たち。可愛い袋で包んだから、それなりには見える。
伸びてきた長い指に、外見だけはよく出来たお菓子とプレゼントを渡してあげる。珠理は受け取ったそれを、しばらくじっと見ていたけれど、そのまま、大きな両手を広げて、その中に顔を埋めた。
「めごが作ってくれたお菓子を食べられる日が来るなんて…。しあわせ過ぎて、しにそう…」
そんなことを、言いながら。
「…美味しいかは分かんないよ…。でも、クリスマスだし、一応こーいうの、作ったら珠理が喜ぶかなあって…」
「…ウン、めちゃくちゃ嬉しい…。食べないで、一生宝箱に入れておきたいくらい」
「腐るからやめて!?!?」
…でも、よかった。喜んでもらえた。



