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ハニーブロッサムに着くと、オジサンがお店の方から出て来たのが見えた。
「おお、めごちゃん!おはよう」
「おはよう。お邪魔します」
腰にエプロンをつけて、クリスマスの飾り付けをしているその姿は、いつもよりさらに忙しそう。
「開店準備ですか?忙しそう」
「そうそう。でもまぁ、今日は12時オープンだし。クリスマス限りのバイトさんもいるしね。俺はそんなにだよ。あ、しゅーくん、店の倉庫にツリーの飾りがあるから、持って来てくれない?」
よっこらしょ、と、準備していたらしい大きなツリーをお店の前に置く。わたしもそれを手伝った。
珠理は「はーい」と返事をしながら、お店の中に入っていった。
可愛いクリスマス仕様のお店。ハニーブロッサムのクリスマスケーキは本当に人気だから、完全予約制。しかも数には限りがある。
だけど、カフェも同時に開いているから、いつものようにお客さんでパンパンになる。
わたしは、残念ながらクリスマス当日のハニーブロッサムには来たことがない。
「うん、この辺りでいいかな」
お店の入り口の右側に、白色のツリーが置かれた。
「ありがとうめごちゃん。手伝ってもらって悪いね」
「ううん。このくらいやらせてください」
いつも、ここにはお世話になっている。オジサンにだって。遊びに来たついでにやれることがあったら、手伝いたいよ。
「…そうか。でもまぁ、今日はしゅーくんとゆっくり過ごしなさいよ。初めてのクリスマスだろ?」
「えっ…!?」
にやりと笑ってこっちを見るオジサンに、思わず心臓が跳ねた。
「…しゅーくんと、付き合ってるんだよね?」
「…!」
…ば、ばれている…。
珠理が話したのかな。というか、今まであれだけ遊びに行っているのだから、そう思われてても仕方がないような気もする。
…そして、今日は色々な人に気づかれる日だなあ…なんて。



