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その日のお昼は、外は寒いからと言って、食堂の片隅に連れていかれた。相変わらず周りの視線が痛いけど、仕方ない。慣れなきゃいけないのは分かってる。
「ごめんねぇ。瀬名ちゃんと約束あったりした?」
カタンと席に着くなり、珠理は少し申し訳なさそうな顔をする。
「んーん。多分、茶々ちゃんも来るだろうし、そのまま一緒に近海くんのところに行ってると思うよ」
わたしたちがいなくても、あの3人はもうすっかり仲良しだ。寂しくなるくらいに。むしろ、2人で食べておいでとよく背中を押されている。
でも、それよりも、わたしは珠理の話の方が気になった。改めて、“ 話したいことがある ” と言われると、少しもやもやするよ。お昼休みまで、ものすごく長く感じた。
「それで、あんたの話ってのは?」
なかなか言い出しづらいのかもと思って、わたしの方から話を振る。
「あぁ…うん。あのね…」
長い睫毛を下げて、珠理は少し下を向いた。口元は笑っている。
「全然…めごが良かったらなんだけど」
「うん?」
「あの……。良かったら、クリスマス…、アタシと一緒にいてくれない?」
「…」
—— “ クリスマス ”
その言葉を聞いた瞬間に、あぁもうそんな季節かと考える。12月にも入って、街中ももうクリスマス一色だ。たしかにもうすぐだなあって最近いつも思っていた。
…って、そうじゃなくて。
「えっ? クリスマスの話なの?」
なんだ、そんなこと。もっと重たい話かと思っていたのに、拍子抜けだ。
お弁当を広げながら、「いいよ」と答える。
でもその間も、珠理の視線は、動くことがなくて。気になって箸を置くと、その綺麗な唇はもう一度動いた。



