『めごが元気ならいいんだけどさ。少しでも不安なことがあったりしたら、ちゃんと俺に言いなよ。俺に遠慮してぐるぐる考えたりなんか、しなくていいんだからね』
「——…」
『俺は、どんなめごでも、ちゃんと好きだから。それだけは、ちゃんと覚えてて』
“ わかった? ” と、付け足される。その珠理の言葉に、胸がジンと熱くなって。思わず、涙が出そうになる。
…珠理は、どうしてこんなにも、わたしが考えていることとか思っていることが分かるのだろう。
どうしてこんなにも的確に、汲み取ってくれるのかな。
その力、もう超能力か何かなんじゃないの。
「…しゅり、」
『うん?』
きみのそーいう力に、わたしは今まで何度も救われてきた。“ ちゃんと見てるからね ”
っていう、珠理の愛情に、わたしはずっと安心していたんだ。
「………なんか今、はやく、会いたい…かも……」
大事にされているって、全身で感じてた。
『会いたいの?これからそっち行こうか』
「えっ!?い、いいよ…。そうじゃなくて、はやく学校の時間にならないかなって、朝にならないかなって思ってただけ…」
恥ずかしい。こんなこと言うなんて、夜のテンションは本当によく分からない。これは朝起きた時に恥ずかしくなるやつだな。今のうちから覚悟しておこう。
珠理は、わたしの話を聞いて少しの間黙っていたけど、そこからは嬉しそうに笑っていた。
珠理が少しだけ照れながら、口元をあげてにやにやしている顔が目に浮かんだ。
…自分でも、自意識過剰だと思う。でも、想像できちゃうんだから、仕方ないでしょう。
『…わかった。じゃあ、明日鎌倉駅から一緒に行こう。いつも何時に着いてる?』
…えっ!?
「…えっ、えっと…7時40分…」
『わかった。じゃあその時間に行くから。俺が行くまで、ちゃんと、待ってろよ』
「…っ」
耳元で、そんな風に言うのはずるい。だって、声しか聞かなかったら、普通の男の子と変わらない。
くすぐったいよ。



