『アタシは課題中。今日の化学の課題の量が尋常じゃないわ』
…やっぱり、勉強してた。わたし、邪魔してないかな。うちのクラスは、今日はあんまり課題は出ていないからいいけど。きっと大変なんだよね。
それなのに、連絡してくれてるんだよね。
…少しだけ、もやもやする。珠理は会って直接話す方が落ち着くということを今日知った。
あぁやってすぐに抱きついてくるところは確かに鬱陶しいけど、あのくらい分かりやすいほうが、わたしもなんだかホッとする。
…そう思うのは、わがままかな。
「…」
珠理も、男の人。オネェだからって思っていたけど、色々と過去を背負った人。ただの女の人らしい男の人じゃない。心は、男の人。
…だからかな。少しだけ、不安になるよ。これも、長い間リョウちゃんと付き合ってきたからなのか。
怒らせないように、うざくならないように。ひとつひとつ考えて、色々と思考を巡らせて。そうやって、ずっと、気を遣っていたからなあ。リョウちゃんには。
その癖が、どこか染み付いて離れないんだな、わたしも。
「んー…」
ベッドで、枕に顔を埋めながら、よく分からないもやもやした行き場のない気持ちを押し付けた。
…なんだろう。よく分かんないけど、早く朝になればいいのに。
早く、直接珠理に会って話したい。「めご」って、ちゃんと呼ばれたい。
珠理はリョウちゃんじゃない。だから、こんなにわたしが考えることもきっとないんだろうけど…
でも、やっぱりなんとなく不安だよ。
みんなも、こんな風に迷うのかなあなんて、我ながら久しぶりに女の子らしいことを考えてるなあと思う。
やっぱり、わたしはちゃんと珠理のこと、想えているんだって確信する。



