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珠理と付き合ったからって、学校生活が大きく変わるわけではなかった。
休み時間、廊下ですれ違えば立ち止まって話すし、お昼になればみんなで集まってお弁当を食べた。
帰りは、相変わらずA組まで来て、一緒に帰ろうと熱烈アピールされるから、そのまま一緒に帰って来る流れ。
今回もわたしの家の近くまで送ると駄々をこねたけど、さすがにどこかで区切りをつけないとまずいと思ったから、そこは丁重にお断りをした。
…変わったことと言えば、たまに、メッセージが飛んでくるようになったことくらい。
今までそんなに送り合うことはなかったから、珠理もあんまり得意ではないのかなーなんて思っていたけど。
そんなこと、なかったらしい。
『めご、何してる?』
…こんなメッセージが、数十分おきに送られてくる。課題をやりながら送ってるのかな。
わたしは、お風呂からあがってそのままベッドに転がりながら、その画面をじっと見ていた。
珠理は、スタンプはたまに送ってくるけど、絵文字は使わない。顔文字も使わない。意外とアッサリとしている文章だ。
会って話すと少ししつこいくらい、テンションは高めなのに。なんだか少し変な感じ。
『お風呂から上がって、ごろごろしてるよー』
それに、既読がつくまでも、意外と時間がかかる。勉強しているからかな。それとももしかして、無理して送ってくれてる…?
それだったら、ものすごく申し訳ない。
「…」
珠理と付き合うことになったのはいいけど。
やっぱり、最初だから色々考えてしまうよ。わたしは付き合った人はリョウちゃんしかいないから、それ以外の人だと、どうすればいいのか分からない。
珠理はやさしいから、だからこそ余計に分からないよ。
わたしが、どのくらいの距離を保っていけばいいのか。



