…12月?

確かに、12月に入ったけれど…。


「はぁ〜〜?何当たり前のこと言ってんの、近海」

「確かに。12月ってのと、ミノくんがどう関係してるの?」


茶々ちゃんと瀬名に攻められているのもあまり気にする様子はなく、近海くんはふいとわたしの方を見る。

そして、さらに衝撃的な言葉を出した。



「……もしかしたら、アメリカからの電話かもしれない」



「……」

「……」


—— へ?


あ め り か … ?




「…?」


あまりにも飛躍した言葉に、頭がついていかない。どうしてそこで、アメリカという国が出てくるのでしょうか。



「え……。ちょっと、よく分かんないんだけど…」

「なにそれ。どーいうこと?」


瀬名も茶々ちゃんも顔をしかめる中、頭の中がクエスチョンマークで埋め尽くされていることを伝えると、近海くんはわたしが知らないことに驚いたのか、「まじか」という顔をした。




「…珠理の母親がさ、今アメリカに住んでるんだよ。そんで、クリスマスの時期になると、毎年こっちに一時帰国してくんの」



————……え?



「あぁ〜!なるほどね。なんかそんなの聞いたことあったわ。だから昔からクリスマスは会ってくれなかったのかしら」



————……え?



「へぇ、アメリカ。ミノくんのお母さん、そんなに遠いところにいるんだね」



————……え?



あんなに一緒に悩んでいたのに、他の3人はあっさりと納得した様子を見せている。
一方、わたしはというと、さらに頭が混乱してしまって。


「…」


……え? 何?


“お母さん” って、もしかしなくても、いつか前に教えてもらった、“サユリ” のこと?