——“また遊びに来て”
…そう聞こえた気がする。
確かめたくて、珠理の顔を見ると、珠理はなんてことないような顔でわたしの方を見ていて。しまいには、「どうしたの?」なんて聞いてくる。
…「また遊びに来て」ってことは、珠理の家ってことだよね。それ以外に思いつかない。だったら、それはハニーブロッサムになるってこと?
もしかして、昨日のこと、聞いても大丈夫なの…?
「あ、あの…っ、珠理…」
だとしたら。聞いていいのだとしたら。わたしは、珠理のことを知りたいから。
「あの、2つ目の質問…」
聞かせてほしい。どうしてあなたが、あのお店にいたのか。
「ん?いいわよ、なんでも聞いて」
繋がれたら小指に思わず力を入れた。ギュッと握られた指先は温かい。
もしかしたら何でもない質問かもしれないのに、どうしてこんなにも力が入ってしまうのか。わたしにはよく分からない。
けど、知りたいから。聞きたい。
ただそれだけ。
「…あの、珠理はどうして、ハニーブロッサムにいたの…?オジサンは、珠理のお父さんなの…?」
1つのはずが、2つ質問してしまった。さっきのも合わせたら3つ目だ。もう何も聞けない。でも、これさえ知れればわたしは満足だ。
答えてほしいという願いで、じっと珠理を見つめていると、珠理は急に吹き出して、肩を震わせていた。
「…な、なんで笑うの!?」
…完全に笑っている。なんでだ。そんなにヘンな質問じゃないはずなのに。
「ご、ごめんなさ…っ、だって、アンタがあまりにも必死だから…っ」
ブフフ、と、笑いを漏らしている。なんて失礼なやつだ。わたしはこの質問をしたいがために、こんな行事を再開させたというのに。
…でも、笑ってくれてよかった。



