でも、重ねてみて改めて分かる。珠理の手のひらの大きさ。
「珠理の手、やっぱり大きいね」
身長の高い人は、手も足も大きいイメージはあったけれど、改めて見ると大きさは全く違う。リョウちゃんの手も大きかったけれど、珠理はもう少し大きい気がする。
…オネェなのに、こーいうところは、男の人なんだなあって気づいてしまう。
「そーねぇ。ふた関節分くらい違うわね。まぁでも、めごの手も小さい方だと思うけど」
「うん…」
骨ばった男の人らしい手。でも色白で、線が細くて、爪も綺麗で、“珠理らしい” 手だ。この大きな手に、わたしは今まで何回も救われてきた。
「めご、次はアタシの番ね」
繋がれていた両手は、珠理の言葉によって片方だけ離れた。右手だけ。左手は、小指だけキュッと握られて、そのまま冷たい地べたへた落とされる。
「…少しは、元気になった?」
弁当が食べられないじゃないか、と、その繋がった小指を眺めていたから、珠理のその言葉に、思わずハッと頭をあげる。
——きっと、リョウちゃんのことを言っているんだ。
リョウちゃんと別れたのは2日前。たったそれだけしか時間が経っていないのに、なんだかものすごく昔のことのように思える。
…色々なことを、たくさん考えてきたからかもしれない。
「…ん、少しは。おかげさまで」
笑ってみせる。別に無理して笑ったわけじゃない。本当に、そう思ったから、自然に笑顔が出ただけ。
それは珠理にも伝わったらしく、「そう、よかった」と笑顔を返してくれた。
「芽瑚は笑ってる顔がかわいいわよ。また寂しくなったらいつでも遊びにきて」
「…うん、ありがとう……」
———って、ん?
待って、待って。今、このオネェなんて言った…?



