「…前に、1日にしてもいい質問は3つまでって話したの、覚えてる?」
わたしの言葉に、珠理はほんの一瞬考えていたけれど、すぐに「ああ!」と目を大きく開いた。
「そんなこと話したこともあったわね!すっかり忘れてたわ」
…やっぱり、忘れていたのか。結構ノリノリだったくせに。
「なに?また再開させる?いいわよ!」
「んー…」
珠理が、少しだけキラキラしている。これなら、大丈夫かな。
「…じゃあ、珠理は今、寒くないの?」
「…今?寒くないわよ全然。どうして?」
「…いや、さっき触った手、冷たかったから…」
…って、なにを聞いているんだ、わたしは。もっと聞きたいことたくさんあるのに、ばか。
「ああ、あまり動かさない方の手って、運動しないからか、あまり温かくないのよね。右手はあったかいわよ、ホラ」
「…」
しゅりは、両手を目の前に差し出してきた。「触ってみて♡」ってことなんだろう。「こんなことしてる場合じゃないのに」と思いながらも、差し出された日本の腕をキュッと掴む。…スベスベだ。
「ほんとだ、温度ちがうね」
「でしょう?右手はお箸持ってたから温かいのね、きっと」
フフフ、と、恥じらいの1つも見せずに笑う珠理。仮にも男と女が手を重ねているというのに、こんなことで動じないのがオネェという生き物なのだろうか。



