「…な、に…?」
…そのまま、やさしくよしよしと触れられる。
「んーん、かわいくて」
「…」
するりと髪の毛にそって手が落ちていったかと思うと、その指はわたしの頰に触れた。人差し指と親指の間に、頰のおにくを挟まれて、フニフニと動かされる。
…ていうか、なんだこれは。あんまり触らないでほしい。どうすればいいか、分からなくなるから。
「アンタは、こうやってアタシに甘えてればそれでいいのよ」
「…っ、どういう意味」
「そのまんまの意味」
珠理は、また手のひらを頭に戻しながら笑った。
…わたしは、こんな男の人と出会ったのは初めてだから、どうすればいいのか時々分からなくなる。
この、男でも女でもない “みのうしゅり” という人間は、どうしてこんなにもわたしを気にかけてくれるのか。
もしかしたら、わたしだけじゃないかもしれないけど、でも、わたしがたくさん助けられてきたということは事実だから。
「…しゅり」
「ん?」
わたしは、この人のことを、もっと知っていきたい。そんなことを少しずつ感じられるきらい、わたしはこの人に心を開いていると、自分でも分かっている。



