ヒミツにふれて、ふれさせて。


・・・

屋上についた。風があたると寒いから、毎度のように給水タンクの陰にかくれてお弁当を広げる。

珠理は、わたしの隣に座って、同じ方向を向いて座った。

…なんだ、こっち向き?普通こういうのって向かい合わせにならない?

…まぁ、いいか。


「わぁ〜!今日もめごのお弁当美味しそうね」

ふふふ、と笑って、珠理はわたしのお弁当を覗き込む。…いやいや、あなたのお弁当もなかなか美味しそうですけどね。

「お母さん、料理が上手なの。なかなか手込んだヤツ作るの好きみたいで」

「へ〜…。おかあさんの手作り…」

めごも将来はお料理上手になるわね♡なんて言いながら、珠理は陽だまりのような綺麗な黄色をした卵焼きを頬張っていた。

屋上は、思ったより穴場なのか、それとも寒いからなのか、あまり人は来ない。今日も、ほんの数人がいるだけで。

…もう、秋だしね。吹いてる風も冷たいし。

周りを見渡してみる。とても静かだ。お弁当とお箸が擦れ合う音しか聞こえない。その中を、秋風が吹いてわたしたちを包んでは、隙間から通り抜けて行く。

「…さむ」

ぶるっと体が震えた。寒い。カーディガンを教室に忘れてきてしまったせいだ。ブラウス1枚じゃ足りなかったなー。くそう。

こんな時に、買った飲み物がホットだとよかったんだけど。教室で食べるとばかり思っていたから、冷たいものを買ってきてしまった。