・・・
「めーごっ♡」
「…」
お昼の時間、飲み物を買いに購買に並んでいると、後ろから軽く抱きつかれた。
「ちょっと、突然触んないでよ」
ガコンと落ちてきたピーチティーを取るついでに、その巨体を肘で押しのける。
…どうして、このオネェはこうも軽い気持ちでこんな行動ができてしまうのだろうか。
「え〜!?どうしてよう、この間は抱きしめても怒らなかったのに!」
「ちょ!?」
こ…っ、このオネェ野郎。こんなにたくさん人がいる中でなんていうことを言おうとしているんだ。本気でやめてほしい。
口を塞いであげたいところだけど、背が高すぎてそんなことができるわけもない。意味のない抵抗で終わってしまう。
「めご、お弁当食べるんでしょ?一緒に食べましょ♡」
色々と考えを巡らせている中、呑気な顔でそう言って、ひょっこり頭をわたしの目線に合わせてくる珠理。
…この人、ほんとに調子いいよなあ。
「………。別にいいよ」
「えっ?いいの?」
「あんたが言ったんでしょ」
「…!やったあ〜〜!」
…別に、断る理由もないし。クラスにこいつがいたら目立つから嫌だったけど、もうみんな慣れてしまっているし。だったら別に、誰と食べても良いかなって思った。それだけだよ。
珠理の分のお茶も買って、そのまま一緒に教室へ向かう。隣でご機嫌な珠理。
…昨日のことを、話すような様子ではなさそうだ。



