「…めご、ごめん。ごめんな、ほんと…。俺
、最後までひどくて…」
「そんなことない…そんなことないよ…、リョウちゃん」
リョウちゃんの、柔らかい頰に手を添える。その手を、リョウちゃんはやさしく握り返してくれた。
その上を伝って行く冷たいものは、きっと、リョウちゃんが流した涙。リョウちゃんが、わたしのために流してくれている涙。
「リョウちゃん、めごは、リョウちゃんのことが大好きだったんだよ。それだけは、覚えていてね」
「…ん」
「リョウちゃんが、この先たくさん悩んでも、それだけは本当だよ…。わたしは、めごは、リョウちゃんと一緒にいて、嬉しいことがたくさんあった…。幸せだった」
「ん…、ありがとう」
———“あなたが背伸びをしなさい” と、言われているような気がした。
何もかも自分が悪いと言うこの人に、そう言ってあげなさいと、神様か誰かに、言われている気がした。
だから、わたしは、リョウちゃんが必死に伝えてくれた想いを、受け止める。
今にも張り裂けそうな、焼きついた心を、おさえながら。
リョウちゃんを、手離す。
「リョウちゃん、ありがとう…。元気でね」
大好きだから、大切だから、手離すんだよ。
わたしも、一緒なんだよ。リョウちゃん。



