鈴蘭Side


コツコツコツ…


あたしのヒールの音だけが響く静かな裏道


ブラックローブに身を包みスノードロップをモチーフにしたピアスを揺らしながら目的地のビルを見上げた。


ーガチャッ


躊躇なく扉を開ける。


「誰だ?!」


金髪の男が暗闇に目を凝らしながら叫ぶ。


「雪雫…って言ったら分かる?」


あたしは、ニヤッと笑って言う。


「ゆ、ゆき、しずく…!」


そう、それがあたしの通り名。


スノードロップを漢字にしたの。


身近にスノードロップを感じたかったから。


スノードロップの花言葉…









『貴方の死を望みます』


蛇裏亞や警察、あたしが復讐すると決めた奴等に向けてのメッセージを込めた通り名。


本名は鈴森 美影 スズモリ ミカゲ


でも、せっかく両親から貰った名前を復讐心で汚れたあたしは名乗れない。


そう思ったから、施設に送られた時名前を変えた。


坂森 鈴蘭 サカモリ レイラ


すずらんがスノードロップに似てるから。


だから、レイラを名乗ると決めた。


「お、お前がか…?」


金髪の男が恐る恐る聞いてくる。


「そうだけど、見れば分かるんじゃない?」


冷めた声でそう言うと、奥から赤髪の男が出てきた。


「雪雫は、ブラックローブにスノードロップをモチーフにしたピアス、黒のヒール、殺った後の現場に残されていると言うスノードロップの絵…それが特徴だが?」


男たちは確認する様に上から下までじっくり見てくる。


「確認は済んだ?そろそろ帰りたいんだけど?」


男たちはビクッと肩を揺らした。


「男2人に女のお前が勝てるわけないだろ?」


赤髪がニヤッと笑った。


「こんな少人数なかなかない。」


あたしはその言葉と同時に2人を倒した。


「ぐはっ」


男たちのうめき声だけが響く部屋の壁にスノードロップの絵をかいた。


何階に奴はいる?


まずは、1人目…