まだ希望を捨てきれていなかった、頭の中のもう1人の私は『もしかしたら、連絡出来ないくらいの高熱で死んでるのかも』とか思ってた。


だけど、やっぱり……



「……そのことなんだけど、後で聞いて」

『ふぅん、藤井と何かあったわけだ』

「何かあったって言うか……」

『ま、分かった。先生には腹壊してトイレに立てこもってるって伝えとくわ』

「え、もっといい感じに伝えてよ」

『喋ってないで早くその短い足動かして学校に来ること。そんで何があったか詳しく教えろ』


もういいよ、うめ。
何も言うな、うめ。


なんで?その短い文章の中で必ず私をディスってくるのはなんで??


「うめさ、私のこと好きだよね」

『は?無駄口いいからさっさと来い!SHR始まるから切るよ!後でね』

「へいへい、かしこ」


───ツーツーツー


私の言葉が最後までちゃんと聞こえたか謎なレベルで電話を切ったうめは、私の耳に悲しい機械音だけを残した。


暑い。暑くて溶けそう。


着替え持ってくれば良かった。着く頃には汗だくになりそうだ。藤井にボディシートまた貰おうかな。また怒るかなー。


……あ、


そう言えば私、藤井に避けられてるかもしれないんだっけ。