愛すべき、藤井。



口を開けば売り言葉に買い言葉で、何かにつけて喧嘩ばかりしてきた私たちに、今更 甘い雰囲気なんて……



「もう、友達やめよーぜ」

「……え、友達やめる?」


まさかの??ここに来て、絶交宣言?!

待って?藤井、そんなに昨日のこと怒ってんの??え、なに?私たちの2年半はそんなにちっぽけなものだった?


そんな簡単に、友達ってやめられるの?
ううん、私には……無理だよ。


藤井は平気なの?……私と友達じゃなくなっても藤井は、



「夏乃」


今にも泣きそうな顔して藤井を見上げる私を「バカ」と小さく笑って、



「好きだよ……すげぇ好き。

俺の彼女になってくれませんか?」


「……!!!??」



───ドクンッ


予想もしてなかった甘い甘い言葉をくれた。



ズルいよ。
そんな伝え方ってないよ、藤井。


だって、全然フェアじゃないじゃん。
私は高熱でクラクラしてるのに、藤井は涼しい顔して私を見下ろして、私がNOなんて答えを持ち合わせてないの知っててそんな質問するのは、絶対にフェアじゃない。