愛すべき、藤井。



この期に及んで、藤井との甘い空気に耐えられなくなりそうなのは私の方で、


どうしたらいいんだっけ?

どうしたら、私と藤井はいつもみたいにバカな話で盛り上がって、バカみたいに声上げてゲラゲラ笑えるんだっけ?


とか、考えちゃってる私は矛盾してる。



藤井がもし、私のことを好きだって言ってくれたら、そんな嬉しいことはないって思ってるのに


もしそう言う空気になったら、どう反応したらいいのか分かんないし、恥ずかしすぎて死ぬんじゃないかとか、色々考えちゃってる。



「でも、それを声に出して嫌だって言ったところで、俺は夏乃の何だ?って話で、そんなこという権利俺にねぇじゃんって。

……夏乃を"俺の"って言えないことが……つーか、夏乃を"俺の"にしたいって、他のやつに取られたくないって、俺こんなに自分が独占欲強いなんて知らなかったし、初めてのこと過ぎて自分の中で消費出来なくて」

「どうしよう、藤井」

「は?」

「藤井は別になんにも言ってないのに、高熱のせいか私には藤井も私のこと好きって言ってるみたいに聞こえて、勝手に1人で恥ずかしくなって来て、なんか……ごめん、泣いたらごめん」



体は火照って熱いし、頭は鉛のように重たいし、気を抜くとクラクラして、おまけに涙腺は崩壊寸前と来たもんだ。