「もう……仕方ないなぁ」


熱さまシートから透明なフィルムを剥がして立花くんに近寄った私は、立花くんのおでこにかかる前髪を少しだけよけて、


「立花くん、熱さまシート貼るから少し冷たいよ?」



一応、半分寝てる立花くんに確認しながら、熱で火照ったおでこにペタッと貼っつけた。


瞬間、




───グイッ


「っ……!!?」




あまりに一瞬のことで、




────ドサッ



「……た、立花くん?」




目を見開くしかない。



『いいか?夏乃。俺がいない間、絶対 警戒心もっとけよ!!』



脳裏を過ぎる藤井の言葉。