熱のせいかぼーっと焦点の合わない目で私を見つめる真っ赤なその顔に軽く手を当ててみれば、熱をもっていてかなり熱い。こりゃ辛いだろうなぁ。



「ね、藤井。コップに水注いできて」

「は?なんで俺だよ」

「一緒に来たからには少しは協力してよね〜!あと、タオルらしきものも調達して欲しい」



ほら!早く!と、棒立ちしている藤井に入口のドアを指さしながら指示を出せば、藤井はムッとしながらも素直にドアへと向かった。


……かと思えば、クルッと再び私を振り返った藤井が


「いいか?夏乃。俺がいない間、絶対 警戒心もっとけよ!!」

「……バーカ、チャラ立花くんは高熱でダウンしてるんだから、警戒しても仕方ないでしょ!早く水!タオルも忘れないでね!」


私の言葉に納得行かないって顔しながらも、渋々部屋を出ていく藤井を見送った私は


袋からガサガサと熱さまシートを取り出した。


熱があるってのに、朝からこんな薄い毛布1枚に包まってたなんて……立花くんもアホだな。


「ほら、おでこ出して!体冷やさなきゃ!頭がもっとアホになるよ」

「ん〜……」


さっきまで話せてた立花くんの意識はモウロウとしていて、私の言葉に反応はするけれど多分半分寝てる。