愛すべき、藤井。


その紙袋は、茶色くてどころにでもありそうな在り来りな紙袋だけど、


真ん中に大きく【ふんわり工房】と可愛いロゴを見つけた瞬間……


私のテンションは一気に上昇。
目を輝かせて紙袋を勢いよく受け取った。


もちろん、そんな私を藤井は笑って『本当は昨日会ったときに渡せたら良かったんだけど、すっかり忘れてた』なんて言うから、


昨日のこと思い出してカァァっと顔が赤くなった私に『昨日会ったときって、なによ?』とニヤニヤしたのは言うまでもない。



「別になんも言ってなかった」

「そっか…!明日行こうよ、ふんわり工房!クロワッサン食べたいし!」

「はぁ?今日もあんだけ食ったくせに、まだ食いてぇのかよ!」

「いくらだって食べられるよ、クロワッサンなら」



舐めてもらっちゃ〜困りますよ。
私はきっとクロワッサンだけ、別腹になってるんだから。いくらでも入っちゃうんだから。


それに、藤井とまた少しでも長く一緒にいる口実になるし。私としては一石二鳥なんだよ?そこんとこ、藤井分かってないよね。