「藤井、立花くんち知ってるの?」
「おう。中学んとき遊びに行ったことあるし」
「そんな仲良かったんだ」
「……別に?普通」
私をチャリの後ろに乗せた後、校門を出て迷わず駅の方向へとこぎ出した藤井を不思議に思った私が質問すれば、藤井は面倒くさそうに答えた。
最近、藤井は立花くんワードにやけに塩対応だ。
ヤキモチか?ヤキモチなのか、藤井!!
……なんて言えるわけもなく。
そう言う私は最近、藤井にやけに塩らしい。女の子か!?女の子なのか夏乃!って突っ込みたくなるくらい、塩らしい。
いや、女の子なんだけどさ!
「……ね、藤井!」
「ん?」
「ふんわり工房、今度また連れてってね。今日のクロワッサンのお礼も言いたいし!」
「おう。みいも会いたがってた」
「え!!……美和子さん、何か言ってた?」
今日の昼休み、いつも通りうめとお昼にしようとカバンからパンを取り出した私に『ほれ、これ』と、藤井が紙袋を差し出した。


