愛すべき、藤井。



【立花 祐也:38.7度 死にそう】



再び震えたスマホへと視線をやれば、立花くんにしては真面目なSOSだったのか、と目を見開く。



【親は?いないの?薬飲んだ?】



とは言え、私はこれから学校だし。
SOSを受けたところで、どうすることも出来ないのだよ、立花くん。



さすがに立花くんのために学校早退する!ってレベルの仲じゃないし。そこは、立花くんも分かってると思うけど。


でも、さすがにこのSOSを受けてしまったからには、そりゃ心配だし、気にはなるわけで。



【立花 祐也:薬ねぇし、親遅い。帰り俺んち寄って】



…………仕方ない。
薬と食べられそうなもの買って届けるかぁ。


でも、立花くんの家……分かんない。
ぼんやり電車乗るんだろうなぁくらいしか、把握してない。


同じ中学だったし、多分そんな遠くないはずだけど。


【了解。住所教えて。ナビで行く】


私ほら、自慢じゃないけど方向音痴だからさ。Goo〇le先生にお願いして、ナビゲーションしてもらうよ。


普段チャリだから、実は電車も得意じゃないんだよなぁ。たまーーに、乗るくらいだ。