立花くんは、決して嫌な奴じゃない。
むしろ、藤井よりも鈍くないし、顔だってイケメンだし、それなりに常識もありそうだ。
だけど、全く……1mmも立花くんに惹かれないのは、あの全面に漂うチャラさが問題なのか。
適当に遊んでもらうなら絶対に立花くんがいい〜！と、色めき立つ女子たちの気持ちも分からんでもない。
だって、イケメンだし。
適当でいいなら、それなりに割り切って遊べて、それなりに優しくて、それなりに愛してくれて、それなりに満足させてくれる立花くんは
それはもう持ってこいの優良株だ。
でも、生憎。
私は"それなり"は嫌なのだ。
まぁ、立花くんの私への態度を見る限り、あっちもあっちで、私なんかごめんだろうけど。
だからこそ、お互い変に気負うことなく、一緒に帰ることがなくなった今でも、こうして頻繁に連絡を取っている。
と、……少なからず私は思ってる。
それに、立花くんは私が藤井を好きだって知ってるから、楽でいい。
