「ごめん、俺と別れてくれ。由美。」
ーーーーーー別れは突然、私の前にやってきた。
「………」
付き合って二ヶ月目になる、田中光からいつもの近くの夜の公園に呼ばれ、別れを告げられた。
「嫌！私、ひーちゃんのことが好きなんだよ。どうして…………？」
私、大橋由美は叫んだ。静かな公園に私の泣き叫び声と、風に揺れるブランコの金具の軋む音が切なく響く。
「俺も、お前のことが嫌いで別れを告げたんじゃない。お前のことは、好きだ。大好きだ。」
「じゃ、どうして………？」
私は、彼の襟をぎゅっと握った。彼と別れたくなくて、ずっと一緒にいたくて………
でも彼は、「親の仕事で、引っ越しすることになったんだ。だからもう、お前とは会えない。」
「そんな………」
彼の襟を握っていた私の手の力が、徐々に弱くなるのを感じた。