強くなるもの

(古高side)

(はぁ…やれやれ)

あいつの気持ちもわかるが、ここに取り残された俺の気持ちも考えてくれよ…

俺は今、花音に取り残されて花音の大切なやつらの前に立ってる

(さて…どっから説明すればいいのやら…)

口を開けずにいると、向こうから話しかけてきた

「どう…なってるのか、さっきの変な生き物はなんなのか、よくわかんねぇーけど、とりあえず、花音のことを教えてくれ」



やっぱり、あいつが選んだやつだけの事はあるな

俺は、俺や花音の力の事をはなした

「そんな夢みたいなことが…」

「夢じゃないんだ、実際に存在してるんだよ」

「俺達は、花音にどうしてやれる?」

「…」

「なんでもいいんだ!」

「お前ら、あいつのこと、かまちょだとか思ったことないか?」

「?」

「まぁー、あるっちゃあるけど…」

みんな小さく頷く

あいつどんだけだよ…

「それには、ちゃんとした理由がある…
お前ら、蘭花中学で起きた事故を知ってるよな?」

「あー、そーいえば、そんな事故あったな」

「あの事件、普通の中学校で爆発事故が起きたとされてるが、本当はそうじゃない」

「どーゆーことだ?」

「…蘭花中学校は、あいつの出身校だ」

「えっ…?でも、あの事故で生き残った人はいないって…」

「少し、長い話を聞いてくれ」

あいつは、俺と同じ中学に来る前、別の中学に通ってたんだ

そこでは、あいつの両親が教師として働いていて、あいつは友達も多かった

ある日、あいつは両親に頼まれて、休み時間に魔法道具の部品を買いにでかけた

そして、そこから学校に帰ってみると…

悲惨な状況だった

以前から対立していた、闇の勢力、狂信教ってゆー組織が攻めてきていたんだ

急な襲撃に加え、兵の数が多く、太刀打ちができなかった

あいつが学校についた時には、もう誰1人生き残っていなかった…

あいつは、その状況を見て絶望的になった

「…そんな…」

「あいつは、そのたった約30分で、家族を、友人を、そして、彼氏を失った…」

「…それで…どーなったんだ?」

「あいつは、我を失い、全ての力を使い、敵を全て倒した」

「えっ…!?たった1人でか!?」

「あぁ、それほどまでに、あいつは我を失っていた…敵を倒すというよりは…動くものは全て殺す…そっちのほーが近いな…」

「…」

「そして、援軍が来た時には、返り血で真っ赤に染まったあいつが見つかった」

最初の頃は全くと言っていいほど感情を表に出さなかった

笑うことはもちろん、泣くことも、怒ることもなかった

それでも、俺と中学のやつらで、なんとかあいつを元に戻そうと色々工夫した

そして、やっとのことで少しずつ笑顔を取り戻していった

「でも…1つだけ、変えられないことがあったんだ」

「変えられないこと?」

「あぁ、それは、あいつの異常な程の寂しがり屋だ」

「…!」

「あいつは…いや、あいつだけは、大切な人をほんの少しの時間で失ってしまう怖さを、悲しみをよく知っている…だからこその、寂しがり屋…かまちょってことだ」

「…あんな軽々しく、かまちょ、とか言っていい話じゃなかったな…」

「私達は、どーすれば…」

「そんなの簡単だ」

「えっ?」

「あいつが、力を使っているところを見て、怖かったか?」

「…」

「あいつは、力を使えば、お前らが恐怖を感じて、もう二度とお前らと一緒にいられないことを覚悟して力を使った!
なら、そうまでして、何の為に力を使った?」

「…」

「他の誰でもない、お前らを、守るためだろ」

「…!」

「だから、お前らがあいつのあの力も含めて、あいつだと思えるなら、あいつの側にいてやれ」

「…」

「そうじゃないなら、結構だ
冷たいことを言うようだが、俺はそれでいいもしも、お前らが一緒にいてやっても、そうじゃなくても、俺はあいつの側にいる、そう決めたんだ」

「そんなの…一緒にいるに決まってんだろ…」

「そうだよ、花音ちゃんは花音ちゃんだし!」

「まー、そーだな」

「考えるまでもねーだろ」

やっぱり、あいつが選んだ奴らなだけあるな

「それならよかった」

あとは、あいつが帰ってくるだけだ…