『…優しい方ですね。…他の人と違って。他の人と違って。』



重要なので二回言いました。



「…僕…まだちょっとしか会ってないけど、なって欲しい。何となく、安心する…。」



『…な、何となく…ですか。』



「暁葉は本能のままに…だからな。ようは直感だ。…俺もなって欲しいなと思うよ。まだ一日しか会ってないし、見かけただけだし。でも、コイツらがこんな夢中になるなんて、珍しい。…それだけ一日目の出会いがガツンとキタんだけど。」



『…皆さん、物好きですね。』



「…これだけ言われてもならねえのか。」



「ダメ…なの…?」



『………。』



「…確かに、お前がやりたくないのもわかる。…凄い心当たりのあるけど。」



『あるなら止めよう。』



「それでも、俺はこの仕事、お前にやって欲しい、緋代。な、頼む。」

















『……あー、もう!わかりました!やればいいんでしょやれば!だからそんな縋るような目で見ないで特にそこの4人!!!』



4人とは、暁葉くんと凛くんと泉くんと恋くん。



さっきからこの4人です。



「ホントかい?良かったー、これで僕の事務所も安泰…。」



『でも、条件が二つあります。』



「ふむ…何かな?」



『一つ目は、私は学生の身分。高校は三分の一休んだら留年します。なので、緊急時及び重要なこと以外の午前6時から午後6時は出来ません。』



「例えば?」



『例えば、ライブや長期ツアー…あとは兄さ…零が不在の時です。緊急時は、怪我をしたり、事故ったりです。』



「ふむ…じゃあ午後6時以降は出来るんだね。二つ目は?」



『二つ目は……共演NGって訳ではないです。ただ…会いたくない人がいて…その時は確実に零に代わってもらいます。どこにいようがいまいが絶対に。』



「…心当たりの人物だよな…。どんだけ会いたくねぇの。」



『死ぬほど会いたくないので、そこんところはよろしくお願いします。もう嫌な目にしか会ってないので。……誰…とは言えませんが。』



「そっか。じゃあ後でまた個人で聞くよ。」



『はい、そうしてもらうと助かります。』



こうして私は晴れてマネージャーという人になりました。