『お〜も〜い〜。兄さんは〜な〜れ〜て〜。』



「だって足つったんだよ今。聞いて驚け両足同時だ。」



『そりゃ驚くけど。…兄さんもしかして運動不足?デスクワーク多めなの?』



「デスクワークもあるけどほとんどスカウトしに行ってるから運動不足ではないはず。…しゃあねぇんだよ、二十五にもなれば足つるって。いつかお前も来るぞ。」



『二十五は若いと思うんだけどな。』



「ま、そういうことだからこのまま家に連れてってくれ。あ、もちろん俺の家な。」



『…わかったよ…。』



なんていうか…今日はいつにも増して兄が良く喋るわ甘やかされるわ甘えたがってるわ…ああ…大変です。



『…そういえば兄さん、兄さんの住んでるところってどこ?行ったことないからわかんないんだよね。』



「あ〜。俺が入社した日から会社の寮みたいなところに引っ越したんだ。…もちろん、家賃は無償だ。」



『何それ私たちも住んでいい?』



「…ダメに決まってんだろ…。大人数で入るわけ無ぇし、そもそも俺だけっていう規則だからな。」



『…なんだ。兄さんのところで住めたら家賃は払わなくて良くなり家計が助かるというのに。』



「…。」