強がりな奥様







扉の前で背中を向けた父と
その背に泣いて縋った母の姿が
いつまでも頭から離れない。



父の優しさに甘えきっていた母。

そんな母に耐えきれなくなった父。



泣きそうな顔でごめんな、と零した父からは
確かに母への愛が感じられた。


嫌いになった訳じゃなかった。
それでも離れることしか出来なかった。




綺麗な愛のカタチなんて何処にもない、と
いつまでも続く愛なんて何処にもない、と

恋を諦めて、愛を自ら手放してきた。