「まだかな」
校門の壁にもたれて、スマホを弄りながら斗真を待った。

それにしても急に寒くなったな…。
マフラーでもして来ればよかった。

かじかむ手をこすり合わせていた私に、
「ほい」
カイロが手渡された。

「斗真」
「待たせたな。てか、コートぐらい着て来いよ」
「カイロありがとう」

受け取ったカイロで指先を温める。
斗真の優しさに胸がキュンとした。

「斗真のお嫁さんは私だからね」
「あーはいはい」
「えへへ」
「なに笑ってるんだよ。気持ちわるっ!」

ひどっ!!でもいいもんね~。
斗真の将来のお嫁さんは私の座だから。

絶対ぜーったい振り向かせてみせるんだからっ!!
やる気を右の拳に込め、私を置いて先を行く斗真の背中を追いかけた。