こっち向いて笑って、先輩!




「図書館は静かにするところだから。はい」


「そりゃそうですけど……あ、ありがとうございますっ」


取ろうとしていた本を取って差し出すと嬉しそうに本を開いて、その本で目から下の部分を隠してキョロキョロする来原。


「何」


「あっ、いや、えっと、私服の如月先輩だあ〜と思って。えへへ」


なんだよそれ、やっぱり可愛すぎる。
こっちだって、いつもと違う彼女にもう何度胸を鳴らしているのかも知らずに。


「違うでしょ」


「へ?」


「呼び方」


「えっ、ああ、えっと、か、和那」


この間教えたのにまだ慣れない様子の彼女はこっちを見ないまま静かに俺の名前を呼んだ。


「だから違うって」


「えっ、」


「こっち向いて呼んで、桃」


「うっ、か、和那」


俺をそう呼ぶ彼女があまりにも可愛いから


「生意気」


彼女が持っていた本を手でどけてから


「ちょ、先輩っ」


「図書館では、お静かに」



そう言って、うるさい彼女の唇にキスを落とした。












───end───