「な、如月先輩!ここ外ですよ!誰かに見られてたら」


「だって、我慢してたから。ずっと」


「へっ、」


っ?!


先輩は、私の肩に手を置くと、その手を私の顎のラインに伸ばして優しくなぞる。


な、なんだこれ!


私の顔はたちまち熱くなって、先輩から目をそらす。先輩、私のこと好きなんだっけ、付き合ってるんだっけ私たち、なんてことを思い出す。


「茜がずっと来原のこと独り占めにするから」


「っ、そ、そういうこと、先輩の口からさらっと言われちゃうと……心臓もたないですっ」


「これからは思ったこと積極的な言っていこうって学んだ」


「えっと、それは嬉しいんですけど……」


チラッと見上げた先輩の耳が、真っ赤になっているのを見て、先輩も私と同じ気持ちになってくれているのかなと実感する。


「好きだよ。茜に会わせるのも、昔の話するのも、正直怖かった。でも、俺の全部、来原に知ってほしいって思ったよ」


「……うっ、嬉しかったです。話してくれたことも茜さんと話せたことも。改めて、私は今の先輩を作った過去も含めて全部、大好きだって思えました。何回言っても足らないです!本当に、私先輩のこと大大大好きです!」


「うん。知ってる。でも、俺だって負けない」


先輩はそういうと、私の前髪を優しく手であげて、おでこに優しいキスを落としてから、ぎゅっと私を抱きしめた。