「そ、そうだったんですか。私てっきり、茜さんが、実はまだ如月先輩のことが好きで、忘れられなくて、寄りを戻すつもりだとか言われるんじゃないかって、こっちに来た時からずっと、不安で……。茜さん、すごく優しいのに、勝手にいろんな想像してヤキモチ焼いて……そんな資格全然ないのに」


「何言ってるの?彼女である桃ちゃんに与えられてる資格だよ。ヤキモチ焼くことなんて。彼女だからヤキモチ焼いていいの!ヤキモチが信用していない理由になんてならないよ。好きだからヤキモチ焼くの!」


茜さんは、私の肩を掴んで必死にそういう。
まさか、ヤキモチ焼いていた相手にそんな風に言ってもらえるなんて。


茜さん、なんていい人なの?!
そりゃ、あの如月先輩が好きになるよ!


「ほんっとごめんね!私と和那が会ってたなんて、絶対桃ちゃんが嫌な気持ちになってるのはすごいわかってたから、私だって元カノが突然現れてきて、昔の彼も知ってますって我が物顔で登場してきたら絶対ムカつくもん!」


「茜さん……」


「逃げるように和那の前から消えたくせに、今度は新しい彼と仲良くやってます!なんて、そんなのどうなんだろうって思ったけど、だけどちゃんと幸せそうな和那見て、私も前に進んでよかったんだって安心できた。それは、和那と一緒になってくれた桃ちゃんのおかげだよ?」


茜さんの言葉一つ一つが心に沁みて、不安が一個、また一個と溶けていく。