初めは本当に、厄介なやつに捕まったと思っていた。
だけど、来原が倉庫から出られなくなった時。
多分、怖くて怯えて涙を流していたはずなのに。
手渡したカーディガンを嬉しそうにギュッと握りしめた彼女の顔が忘れられなくなっていた。
あの時の来原の顔、俺みたいな人間でも、誰かの役に立てたんだって、正直救われた。
それからも、大袈裟だって言葉が似合うくらい俺の一言一言にいちいちムキになったり舞い上がってる彼女の反応が面白くて。
単純に、もっと知りたくなっていた。
俺には平気でポロポロと感情のまま話すくせに、他の誰かと接すると急に弱気になったり。
変なところ不器用なところは、まるで昔の自分を見てるみたいで歯がゆくなって。
結局、来原の方がいつも俺の前を歩いていたのだけど。
気付いたら、離したくないと思っていた。
そして─────。



