─────バタン
毎日持っているのか、先輩は制服のポケットに入っていた鍵を取り出して慣れた手つきでドアを開けると、
この間のように、私の背中がドアに預けられるようにして私のことを見下ろした。
「……あの、先輩!ごめんなさい!謝って済む問題じゃないことはわかっています!安心してください!絶対誰にも話しませんから!私と先輩が事故って、その、お唇が重なったとか!」
自分で言いながらすごく恥ずかしくなって顔が熱くなる。
今すぐ穴掘って入りたい。
「せ、先輩に付き合ってる人がいるのにあんなことになってしまって……本当にごめ─────」
「待って」
「ひっ」
突然、先輩が私の肩を掴むと、少し腰をかがめてから私の目線に顔を近づけた。
「やっと黙った」
いや、そりゃ、大好きな顔がそんな間近に現れたらそりゃ黙りますよ!
先輩が近づいてきたせいで、またあのキスを思い出した顔を覆いたくなる。



