「どうぞどうぞ」といった真壁くんは「また月曜日ね」と言って手を振って体育館を後にした。
「ちょっと時間もらっていいか。来原」
「へっ、あっ!はい!」
静かに話す先輩にそう返事をして、場所を変えるといって歩きだした先輩の背中を追いかける。
どんなに大切な人がいるって聞かされても。
この想いはなくなる気配がない。
っていうかむしろ、先輩への自分の気持ちを改めて痛感している。
私は、この人が、大好きだ。
声、柔軟剤の匂い、
歩幅を合わせて前を歩いてくれるとこ、
襟足、手。
後ろから見るだけでも、ほんの数秒いっしょにいただけでも、どんどん溢れてくる。
体育館を出て、校舎に入っていく先輩は、最近見たばかりの見覚えのある道を進んでゆく。
生徒会室につながる道だ。



